庭仕事をしていると、芝生の中や、植木鉢の下、あるいは敷石の隙間などに、アリの巣を発見することがよくあります。家の中であれば、即座に駆除の対象となりますが、庭の巣の場合は、どう対処すべきか、判断に迷うところです。彼らもまた、自然の生態系の一部。駆除すべきか、それとも共存の道を選ぶべきか。その判断基準は、蟻の種類と、それが私たちの生活に及ぼす影響の度合いにあります。まず、庭にいるアリの多くは、土の中に巣を作る「トビイロケアリ」や「クロオオアリ」などです。彼らは、基本的には、屋外で生活し、花の蜜や、他の昆虫の死骸などを食べて暮らしています。これらのアリが、庭にいること自体は、生態系の一環として、ごく自然なことです。むやみに駆除する必要はないでしょう。しかし、いくつかのケースでは、庭のアリも駆除の対象となります。第一に、その巣が、家屋への侵入の拠点となっている場合です。庭の巣から、頻繁にアリの行列が家の中へと続いているようであれば、その供給源である巣を駆除する必要があります。第二に、ガーデニングへの被害です。アリの中には、アブラムシと共生関係を結ぶものがいます。アリは、アブラムシの出す甘い蜜をもらう代わりに、アブラムシの天敵であるテントウムシなどを追い払ってしまいます。その結果、アブラムシが異常発生し、大切な草花や野菜が被害を受けることがあります。第三に、アルゼンチンアリのような、非常に攻撃的で繁殖力の強い「特定外来生物」である場合です。彼らは、在来のアリを駆逐し、生態系を破壊するだけでなく、家屋にも積極的に侵入してくるため、発見次第、駆除することが推奨されています。庭のアリの巣を駆除する方法としては、巣穴に直接、液体や粉末状の殺虫剤を流し込むのが効果的です。あるいは、巣の周辺にベイト剤を置くことで、時間をかけて巣ごと根絶することも可能です。庭の生態系への影響を最小限にしたい場合は、熱湯を巣穴に注ぐという方法もありますが、植物の根を傷めないように注意が必要です。