クロオオアリ見分け方と生態の特徴

公園の樹木や庭先、時にはアスファルトの隙間などで、ひときわ大きな黒いアリを見かけることがあります。その多くは「クロオオアリ」である可能性が高いです。クロオオアリは、日本に生息するアリの中でも最大級の種類の一つで、その名の通り、光沢のある黒い体色が特徴です。体長は働きアリで7ミリメートルから12ミリメートル、女王アリになると18ミリメートル近くにも達します。この大きさは、他の多くのアリと比較して際立っているため、見分ける上での大きなポイントとなります。体の形状としては、胸部と腹部の間のくびれである腹柄節が一つであることが特徴です。全体的にがっしりとした体つきをしています。クロオオアリは、主に平地から山地の比較的開けた場所に生息しており、公園の土の中や、庭石の下、木の根元などに巣を作ります。比較的乾燥した場所を好む傾向があります。食性は雑食性で、他の昆虫やその死骸、植物の蜜、アブラムシの出す甘露などを餌としています。甘いものにも集まることがありますが、家の中に積極的に侵入してくることは比較的少ないとされています。しかし、巣の場所が家屋に近い場合や、餌を求めて迷い込むことはあり得ます。クロオオアリは、基本的に温厚な性格で、こちらから手を出さない限り、積極的に人を攻撃してくることはありません。しかし、巣を刺激されたり、危険を感じたりすると、大顎で咬みついてくることがあります。その顎の力は強く、咬まれるとそれなりに痛みを感じます。毒針は持っていませんが、咬んだ傷口に蟻酸を吹きかけることがあり、これが刺激となる場合もあります。見分け方のまとめとしては、「体長が7ミリ以上と大きいこと」「全体的に光沢のある黒色であること」「腹柄節が一つであること」「比較的開けた場所の土中などに巣を作ること」などが挙げられます。その大きさから少し威圧感を感じるかもしれませんが、生態系の中では他の昆虫を捕食するなど重要な役割を担っています。むやみに駆除の対象とするのではなく、その生態を理解し、上手に付き合っていくことが望ましいでしょう。